長崎県島原市内には60カ所以もの湧水があり、「水の都」とも呼ばれています。「鯉の泳ぐまち」は湧水からなる市内の水路に錦鯉を放流し、地域住民の方々によって美しくたもたれています。紅白、三色、黄金等の様々な錦鯉が昔の城下町の面影を残す美しい水路の中で泳ぐさまはとても情緒があります。
温泉郷である島原半島には、日本一熱い源泉温度を利用した「温泉蒸し料理」があります。高温の温泉蒸気を利用し地元産の野菜 や海産物をヘルシーに調理する、地域に親しまれた方法です。小浜温泉街にある「蒸し釜」はおよそ105℃で湧き上がるという高温の源泉を利用しており、蒸しカゴに入れた食材を釜の中に入れしばらく待つと熱々の蒸し料理が出来上がります。この地域一帯には蒸し料理を専門とする店舗がたくさんあり、様々な蒸し料理をお楽しみいただけます。
「かんざらし」は、古くから島原市一帯で作られてきた伝統のスイーツ。かつて島原庶民が米粉にして食べていたくず米を腐らせないため、団子にして湧水のなかで保存し食すという生活の知恵だったものが、やがて、米粉(白玉粉)の団子と蜜で冷たい菓子を作り、夏の来客に振る舞うように変わったものが「かんざらし」の発祥といわれています。団子にかけられている蜜のレシピは家々やお店ごとに異なっており、様々な味を楽しむ事ができるのも魅力の一つです。
湧水に白玉をさらして作る伝統のスイーツ「かんざらし」。島原市内ではこのかんざらしづくりの体験ができます。「かんざらし粉」とも呼ばれる白玉粉をこね、丸い団子状にしてから茹でた後、流水にさらして仕上げます。流水にさらしたかんざらしはまろやかな食感で、甘い蜜によく合います。思い思いの「かんざらし」をつくってみてください。
一説では、島原・天草一揆後、小豆島からの移民が作り方を伝えたとも言われる特産品「手延べそうめん」。そうめんを細く伸ばしていく「大引き体験」は、「さばき」という大引き(大きな箸)を入れながら、麺の長さが2mくらいになるまでに引き延ばす工程を体験できます。引き延ばした直後の作りたての「生」の素麺は食感もモチモチで現地でしか食べることが出来ない味です。
雲仙市南串山町は丘陵池で低地が乏しかったため、丘陵に沿った形で畑を作る「棚畑」が広がる独特の景色が広がっています。「棚畑展望台」ではこの整然とした棚畑約800枚が一望できるフォトスポットとしても有名です。長崎県だんだん畑10選に選ばれたこの棚畑では日本で有数の生産量を誇るじゃがいもが栽培されています。
古くから「水の都」と呼ばれる島原には数多くの湧水地があります。それら湧水を利用した料理の一つに特産の手延べそうめんを湧水で流す「そうめん流し」があります。そうめん流しの店舗ではテーブルの中央にそうめんを流せるように水が張ってあり、手延べそうめんをその水にくぐらせて食べます。かつて市内いたる所にありましたが、現在は数が少なくなりつつあります。その一方で、竹を使ったそうめん流し体験が楽しめる場所などもありますので、島原を訪れた際は是非そうめん流しを体験してみてください。