標高650mから1500mほどで、晴天率が高く冷涼な気 候は、高原野菜や果物など良質な農産物を育んでくれ ます。古くから中山道の宿場町として栄え、味噌を使った 料理や漬物などの発酵食文化が今も人々の生活に根 付いています。栄養満点の鯉料理は地域のソウルフード。健康的な長寿県であるのもうなずけます。
馬瀬地域には、山村の豊かな食文化を堪能できる料理 が数多くあります。寿司ご飯を「朴の木」の葉で包んだ 「ほう葉寿司」や渓流魚料理、麦麹を原料とする手作り 味噌、「かぶら」などの地元産の野菜を用いた漬物など、 いずれも是非とも味わいたい料理ばかりです。
「うなぎ・すっぽん養殖の発祥の地」として、 100年以上の歴史を持つ浜松・浜名湖には、 100を超えるうなぎ専門店があります。関東と 関西の真ん中に位置しているため、背開きの 関東風、腹開きの関西風といった東西のうな ぎ蒲焼きの味と文化が楽しめます。
幻の蟹「ドウマン蟹」をはじめ、遠州灘で水揚げされる魚介類は何といっても「鮮度」が一番の魅力。 新鮮な魚介類を、多種多様な調理法で味わえるのは浜松・浜名湖地域だからこそです。
大井川が注ぎ込む駿河湾に面する焼津港では、上品な 脂と甘み、色の鮮やかさから「赤いダイヤ」と称される焼 津ミナミマグロや、皇室献上品である鰹節をはじめ、刺 身、たたきなど様々な楽しみ方があるカツオが水揚げされます。
篠島の鯛は千年もの間、伊勢神宮に奉納さ れており、味が濃く、甘みさえ感じるといわれる 逸品。新鮮な鯛は「調製」の心をもって丁寧に しめられ、調理されます。南知多では、祝いの 席に限らず、刺身、塩焼き、塩釜、煮つけ、鯛 めし、干物等、さまざまに楽しまれています。
鯖のおぼろを散らす「丹後ばらずし」は、祭り などハレの日に振舞われます。「まつぶた」と 呼ばれる浅い木箱に寿司を敷きつめ、木べら で切り分け、親戚や家族で食べる独特のスタ イルの郷土料理です。
鯖や鰺を糠漬けにした郷土料理の「へしこ」が、昔から 保存食として食されてきました。
森の京都には魅力的な「食」が豊富に揃っ ています。その中でも、色とりどりの旬野菜を炊き合わせたり、その野菜を「おやき」の具にして入れたりして、田植えの合間に「おこび る」(=おやつ)として食べる習慣があり、現在まで続いています。
町衆文化として普及した茶文化と懐石料理。連綿と続くモノづ くりの血脈により小松の食文化として現在まで伝承されていま す。緻密で繊細な味わいが特徴であり、九谷焼に添えられるこ とにより、芸術作品として仕上げられています。