日本の中部地方、そのほぼ中央に位置する長野県。海に接する地域のない内陸の県で、標高2000〜3000メートル級の山々が南北にのびています。 日本では古代から主食としてコメが食べられていましたが、寒さに強く痩せた土地にも適応するソバは、コメの不作時の備えとして古くから全国で作られ、親しまれてきました。 その中でも長野県ではソバの栽培が盛んで、昼夜の寒暖差が大きいことから風味の強いそばに育ちます。県内で生産されたそば粉を使用したそばは「信州そば」と呼ばれ、同県の代表的な郷土料理です。 長野県南部に位置する伊那市の「高遠(たかとお)そば」は、県の特産品である辛味大根のしぼり汁と、焼きみそを溶いたつゆを付けて味わう個性的な信州そばです。
日本の代表的な調味料であるみそ。しょうゆやみりん、酢などとともに、麹菌を使った伝統的な発酵食品です。日本各地にはその土地ならではのみそが存在し、みそ汁のほか、さまざまな郷土料理に使われていいます。 「信州みそ」は長野県を中心に作られているみそのことで、戦国武将の武田信玄が兵糧として作らせたことがはじまりと言われています。米麹と大豆で作る「米みそ」で、色は淡黄で辛口が特徴です。 県南部の伊那市に古くから伝わる「五平餅」は、みそを使った郷土料理です。もともとは神様に新米の収穫を感謝し、来年の豊作の祈りを捧げるための供え物でした。 かたく炊いたうるち米を半分ほどつき、丸めて平たくするなどして串を刺し、みそにみりんや砂糖、くるみなどを混ぜたみそダレをつけて囲炉裏やコンロでこんがりと焼きます。
益田市の特徴的な郷土料理の「うずめ飯」。島根県は全国有数のわさびの産地でもあります。 旬の野菜やきのこ類、鶏肉などの具をだしで煮てお椀の底に入れ、具が見えないように上から炊きたてのご飯をよそい、おろしたてのわさびを添えています. 実はご飯の下にはたくさんの具材が隠れています。ぜひ地域で食べてみてください!
日本の中部地方、そのほぼ中央に位置する長野県。海に接する地域のない内陸の県で、標高2000〜3000メートル級の山々が南北にのびています。 長野県東部の佐久市は、江戸時代からコイの名産地として知られています。同市を流れる千曲川(ちくまがわ)の清涼な水は稲作やコイの飼育に適しており、農家は米づくりをする傍ら、コイの「水田養殖」をしていました。(近年は溜池での養殖が主流) この地域で育つコイは「佐久ゴイ」と呼ばれ、肉は引き締まり、適度に脂が乗って泥臭さのない逸品。冷水で身を引き締めた刺し身の「あらい」や、砂糖しょうゆで煮詰めた「うま煮」、信州味噌で煮込んだ「コイこく」などが定番です。コイは栄養価が高く、日本酒との相性も抜群。
大紀町の七保(ななほ)地区は、世界的に有名な松阪牛の生産地。松坂牛は、優れた資質や行き届いた飼育管理により「肉の芸術」とも称されています。大紀町に訪れたら、ぜひ特産松阪牛のすき焼きをどうぞ。肉を口に入れるととろけるような食感が味わえます。
この地では古くからブリの養殖が盛んでした。現在は県の特産品である茶葉やかんきつ類、海藻をブレンドした特別な餌で育て、「伊勢ブリ」ブランドとして出荷しています。 ブリの「べっこうずし」は、大紀町ならではの伝統料理のひとつ。表面がつややかなべっこうのように見えることから、その名がついたと言われています。
日本の中国地方北部にある島根県。益田市はその西端に位置し、北は日本海、南は中国山地が広がる地域です。鎌倉時代から室町時代まで交易が盛んで、当時この地域を治めていた領主・益田氏に関する古文書が数多く残されています。 こういった歴史的背景からヒントから、地域の中世の食を再現するプロジェクトを発足。歴史や料理研究者の協力も依頼し、古文書にある「中世の饗応(きょうおう)料理」の復元を試みました。 益田エリアの文化を発信する「MASCOS HOTEL(マスコスホテル)」では、饗応料理のお弁当を予約注文することができます。 饗応(きょうおう)料理の「饗応」とは、相手にお酒や食事などを出してもてなすことです。
益田市の郷土料理である「アユ雑煮」。市内を流れる高津川は山陰を代表する清流で知られており、天然アユの産地でもあります。日本では正月に各地で雑煮を食べる習慣がありますが、益田地区に伝わる雑煮は、特産のアユを使った「焼きアユ雑煮」。炭火でじっくりと焼き、乾燥させた干しアユでだしを取ります。お椀に丸餅などの具材を入れた後、豪快に乗せるアユが特徴的。アユならではあっさりとしたうま味が楽しめる一品です
日本列島の中央に位置する長野県。海と接しない内陸の県で、標高2000〜3000メートル級の山々が南北にのびています。 日本は全国で酒づくりが行われ、各地域に銘酒が存在するというめずらしい国です。その中でも長野県は非常に酒蔵の数が多いことで知られています。 千曲川(ちくまがわ)の最上流地域、佐久平のある長野県東部の佐久市は米どころとして知られています。日本酒づくりに適した酒米の開発も行われ、350年以上前から酒づくりが盛んです。 佐久市は寒冷な気候風土に加え、北に浅間山、南は八ヶ岳連峰、そして千曲川が流れるなど水源が多彩です。これらの清らかな水は日本酒の主原料として使用され、それを「仕込み水」と呼びます。仕込み水は日本酒の味わいを左右するほど重要。佐久市の気候風土と豊かな水源が、個性豊かな日本酒を育んでいるのです。 この地域では13の酒蔵が点在しています。それぞれ13通りの哲学で酒づくりを行っており、多様性にあふれています。見学可能な酒蔵も多く、酒蔵めぐりも楽しいでしょう。 老舗酒蔵に滞在して日本酒づくり体験ができるという世界初のホテル(KURABITO STAY)もあり、国内外から注目されています。
特産品のひとつである「ほや」は、「海のパイ ナップル」と呼ばれるほどゴツゴツとした見た目の珍味。北海道や三陸沿岸地 域のみで水揚げされ、主に刺し身や酢の物として食べられています。 ほやの旬は、春から夏です。 石巻地域は世界三大漁場に位置し、豊富な水産資源に恵まれた地です。