日本の代表的な調味料であるみそ。しょうゆやみりん、酢などとともに、麹菌を使った伝統的な発酵食品です。日本各地にはその土地ならではのみそが存在し、みそ汁のほか、さまざまな郷土料理に使われていいます。 「信州みそ」は長野県を中心に作られているみそのことで、戦国武将の武田信玄が兵糧として作らせたことがはじまりと言われています。米麹と大豆で作る「米みそ」で、色は淡黄で辛口が特徴です。 県南部の伊那市に古くから伝わる「五平餅」は、みそを使った郷土料理です。もともとは神様に新米の収穫を感謝し、来年の豊作の祈りを捧げるための供え物でした。 かたく炊いたうるち米を半分ほどつき、丸めて平たくするなどして串を刺し、みそにみりんや砂糖、くるみなどを混ぜたみそダレをつけて囲炉裏やコンロでこんがりと焼きます。
大紀町の七保(ななほ)地区は、世界的に有名な松阪牛の生産地。松坂牛は、優れた資質や行き届いた飼育管理により「肉の芸術」とも称されています。大紀町に訪れたら、ぜひ特産松阪牛のすき焼きをどうぞ。肉を口に入れるととろけるような食感が味わえます。
日本の中部地方、そのほぼ中央に位置する長野県。海に接する地域のない内陸の県で、標高2000〜3000メートル級の山々が南北にのびています。 長野県東部の佐久市は、江戸時代からコイの名産地として知られています。同市を流れる千曲川(ちくまがわ)の清涼な水は稲作やコイの飼育に適しており、農家は米づくりをする傍ら、コイの「水田養殖」をしていました。(近年は溜池での養殖が主流) この地域で育つコイは「佐久ゴイ」と呼ばれ、肉は引き締まり、適度に脂が乗って泥臭さのない逸品。冷水で身を引き締めた刺し身の「あらい」や、砂糖しょうゆで煮詰めた「うま煮」、信州味噌で煮込んだ「コイこく」などが定番です。コイは栄養価が高く、日本酒との相性も抜群。
この地では古くからブリの養殖が盛んでした。現在は県の特産品である茶葉やかんきつ類、海藻をブレンドした特別な餌で育て、「伊勢ブリ」ブランドとして出荷しています。 ブリの「べっこうずし」は、大紀町ならではの伝統料理のひとつ。表面がつややかなべっこうのように見えることから、その名がついたと言われています。
日本列島の中央に位置する長野県。海と接しない内陸の県で、標高2000〜3000メートル級の山々が南北にのびています。 日本は全国で酒づくりが行われ、各地域に銘酒が存在するというめずらしい国です。その中でも長野県は非常に酒蔵の数が多いことで知られています。 千曲川(ちくまがわ)の最上流地域、佐久平のある長野県東部の佐久市は米どころとして知られています。日本酒づくりに適した酒米の開発も行われ、350年以上前から酒づくりが盛んです。 佐久市は寒冷な気候風土に加え、北に浅間山、南は八ヶ岳連峰、そして千曲川が流れるなど水源が多彩です。これらの清らかな水は日本酒の主原料として使用され、それを「仕込み水」と呼びます。仕込み水は日本酒の味わいを左右するほど重要。佐久市の気候風土と豊かな水源が、個性豊かな日本酒を育んでいるのです。 この地域では13の酒蔵が点在しています。それぞれ13通りの哲学で酒づくりを行っており、多様性にあふれています。見学可能な酒蔵も多く、酒蔵めぐりも楽しいでしょう。 老舗酒蔵に滞在して日本酒づくり体験ができるという世界初のホテル(KURABITO STAY)もあり、国内外から注目されています。
日本茶とは、日本で生産される「緑茶」をさします。緑茶は茶葉を摘んでから発酵させずに作られ、「煎茶」をはじめ、「玉露」や「抹茶」、「番茶」、「ほうじ茶」、「玄米茶」などさまざまな種類があります。 大井川地域の各製茶工場では栽培条件や工場独自のこだわりの製法などにより、うま味・渋み・香り・水色(すいしょく)が異なる特色あるお茶が作られています。※水色(すいしょく)とは、湯飲みに抽出されたお茶の色のこと
「駿河湾の宝石」と称される桜エビ。香りやうまみが凝集された、4~5cmほどの小さなエビです。海中では透明ですが、水揚げされるとまるで桜の花のようなピンク色をまとうため、桜エビと呼ばれています。 桜えび漁の漁業許可がおりているのは国内では静岡のみ。環境保全と生態系の維持をしっかりと行いながら、漁を営んでいるのです。
お茶はおもてなしの席はもちろんですが、日本人の日常生活に根付いています。緑色の見た目や香りは気持を和らげ、食事の味を引き立てる役割もあります。 日本一のお茶どころとして知られる静岡県。お茶づくりに適した気候風土や高い生産技術などにより、全国の茶園面積の約40%を占めています。
日本の中部地方に位置する岐阜県。下呂市馬瀬(まぜ)地域は、岐阜県のほぼ中央にあり、村の面積の95%以上は山林です。森は豊かな水源でもあり、村を流れる馬瀬川は、清流に生息するアユなど川魚の漁場となっています。
馬瀬地域にある郷土料理の店や旅館などで提供される、旬のアユ料理の数々。定番人気は何と言ってもアユの塩焼き。魚の身には塩を薄く付け、頭や背びれ、尾びれに付ける塩はやや多めにして炭火でじっくりと焼きます。馬瀬のアユは身がよく引き締まっており、ほのかに甘く、よい香りが特徴です。