宇治抹茶との相性が抜群な古老柿は、茶菓子や正月の縁起物として愛され、宇治の茶文化と深く関わってきました。「孤娘柿」、「ころ柿」とも表現され、「鶴の子柿」という乾燥しやすい小ぶりの渋柿を使ってつくられます。冬に生産され、冷たい風にさらされることで柿の甘みが増します。主に12月中旬~翌年1月くらいまで販売されており、JAや地域のお茶屋さん、スーパーなどで購入することができます。お酒を飲む前に食べると、悪酔い防止や二日酔いを抑える作用もあるといわれています。
「茶汁」はお茶農家の方が野外でも手軽に食べられる食事として代々伝わってきました。野菜と干物に煎茶をかけていただくお茶漬けのようなものですが、味付けや具材は各家庭などによって異なります。また、「江戸時代から続く郷土の料理」として、文化庁の事業「100年フード」に認定されています。宇治田原町では郷土食文化を伝える一環として学校給食にこの茶汁が採用されているそうです。
京都山城地域宇治では、「宇治抹茶」、「宇治玉露」、「宇治煎茶」の三種類の茶葉を栽培しています。宇治抹茶は乾燥させた茶葉を石臼などで挽くことで粉状にしており、香りが豊かで苦味が少なく、ほのかな甘みを感じる抹茶です。宇治玉露は豊潤な香りと旨味が強い最高級品として有名な茶葉です。宇治煎茶は爽やかな香りと心地よい渋みを併せ持っており、三茶種の中ではもっとも多く飲まれています。
山城地域には農家の自宅などを客室にし、農林漁業体の体験ができる民宿があります。農林漁業体の体験だけでなく、自家製の美味しいお茶を堪能できたり、オリジナルの民宿料理を提供したり、陶芸や抹茶アート、茶香服の体験など、民宿ごとに特色があります。美しい自然や景観の中でこの地域の人々の暮らしを知ることができる、体験型宿泊施設です。
宇治市周辺ではお茶について体験できる公営・民営の体験コースがあり、茶摘みからテイスティング、石臼挽き、抹茶・煎茶の入れ方まで、お茶に関する様々なアクティビティを体験できます。お茶の製法を勉強するもよし、お茶の入れ方や心、文化を勉強するもよし、お茶の街宇治市ならではのお茶体験をお楽しみください。
茶葉生産量の約4割を誇っている京都府の中でも山城地方は日本茶の高級ブランド「宇治茶」の産地として有名で、この地方の谷間や丘陵には広大な「茶畑」が広がっています。「石寺の茶畑」は京都府の景観資産第1号にも指定されている他、日本遺産にも認定されている風景で、さまざまなお茶の話題には必ず登場する「茶畑の原風景」ともいえる場所です。
美山では鶏を飼う家が多かったことから、古くから祭事など、人が集まる機会に「かしわ(地鶏)のすき焼き」が食されてきました。春は竹の子やうど、秋は松茸と九条ねぎや水菜など、森の京都で育った季節野菜と地鶏をたっぷり使って煮込みます。今では鶏を飼う家庭はほとんどなくなくなりましたが、客人を迎える「おもてなしの料理」として親しまれています。
森の京都エリアは秋の紅葉や京野菜などの食材でも有名です。その中でも福知山市は栗スイーツの名所でもあります。秋から冬にかけてが栗スイーツの本番。市内にある数々の和菓子、洋菓子店に栗スイーツが並びます。老舗和菓子屋さんに並ぶ栗羊羹や焼き栗きんとんなどの和菓子はもちろん、京都の栗を求めてパリの有名店がお店を出していたりと、まさに栗スイーツの宝庫です。紅葉散策のお供に栗スイーツいかがですか?
近年日本でも定着しつつある「ジビエ料理」。「ジビエ」とは、狩猟で取れた天然の野生鳥獣の食肉を意味することばで、イノシシやシカや野鳥肉などが知られています。京都府では昔からイノシシを食す風習があり、「かやぶきの里」として知られる美山地区のぼたん鍋は冬の風物詩として有名です。猪肉はその脂身が特長で、コラーゲンたっぷりあり、見た目も美しいイノシシ肉のぼたん鍋は食べておきたい逸品です。
トロッコ列車はトロッコ嵯峨駅から亀岡駅までの7.3キロを約25分間で結ぶ観光列車です。山陰本線の旧線を活用したコースで8つのトンネルを抜けながら保津川渓谷沿いの雄大な自然をたっぷりと堪能できます。四季折々の風景を楽しむことができ、春の山桜や秋の紅葉などは特に美しく自然観光にもおすすめです。