この地では古くからブリの養殖が盛んでした。現在は県の特産品である茶葉やかんきつ類、海藻をブレンドした特別な餌で育て、「伊勢ブリ」ブランドとして出荷しています。 ブリの「べっこうずし」は、大紀町ならではの伝統料理のひとつ。表面がつややかなべっこうのように見えることから、その名がついたと言われています。
日本の中国地方北部にある島根県。益田市はその西端に位置し、北は日本海、南は中国山地が広がる地域です。鎌倉時代から室町時代まで交易が盛んで、当時この地域を治めていた領主・益田氏に関する古文書が数多く残されています。 こういった歴史的背景からヒントから、地域の中世の食を再現するプロジェクトを発足。歴史や料理研究者の協力も依頼し、古文書にある「中世の饗応(きょうおう)料理」の復元を試みました。 益田エリアの文化を発信する「MASCOS HOTEL(マスコスホテル)」では、饗応料理のお弁当を予約注文することができます。 饗応(きょうおう)料理の「饗応」とは、相手にお酒や食事などを出してもてなすことです。
益田市の郷土料理である「アユ雑煮」。市内を流れる高津川は山陰を代表する清流で知られており、天然アユの産地でもあります。日本では正月に各地で雑煮を食べる習慣がありますが、益田地区に伝わる雑煮は、特産のアユを使った「焼きアユ雑煮」。炭火でじっくりと焼き、乾燥させた干しアユでだしを取ります。お椀に丸餅などの具材を入れた後、豪快に乗せるアユが特徴的。アユならではあっさりとしたうま味が楽しめる一品です
日本列島の中央に位置する長野県。海と接しない内陸の県で、標高2000〜3000メートル級の山々が南北にのびています。 日本は全国で酒づくりが行われ、各地域に銘酒が存在するというめずらしい国です。その中でも長野県は非常に酒蔵の数が多いことで知られています。 千曲川(ちくまがわ)の最上流地域、佐久平のある長野県東部の佐久市は米どころとして知られています。日本酒づくりに適した酒米の開発も行われ、350年以上前から酒づくりが盛んです。 佐久市は寒冷な気候風土に加え、北に浅間山、南は八ヶ岳連峰、そして千曲川が流れるなど水源が多彩です。これらの清らかな水は日本酒の主原料として使用され、それを「仕込み水」と呼びます。仕込み水は日本酒の味わいを左右するほど重要。佐久市の気候風土と豊かな水源が、個性豊かな日本酒を育んでいるのです。 この地域では13の酒蔵が点在しています。それぞれ13通りの哲学で酒づくりを行っており、多様性にあふれています。見学可能な酒蔵も多く、酒蔵めぐりも楽しいでしょう。 老舗酒蔵に滞在して日本酒づくり体験ができるという世界初のホテル(KURABITO STAY)もあり、国内外から注目されています。
特産品のひとつである「ほや」は、「海のパイ ナップル」と呼ばれるほどゴツゴツとした見た目の珍味。北海道や三陸沿岸地 域のみで水揚げされ、主に刺し身や酢の物として食べられています。 ほやの旬は、春から夏です。 石巻地域は世界三大漁場に位置し、豊富な水産資源に恵まれた地です。
国東半島は、日本を代表する温泉地である別府温泉や、神仏習合の発祥地と される宇佐神宮などがあり、長い歴史で育まれた文化が色濃く残ります。 古くから麦などの穀物栽培が盛んで、多くは粉にして利用してきました。 「だんご汁」は小麦を使ったこの地域の代表的な郷土料理で、米が 不足していた時代に発展しました。
国東半島沖に浮かぶ姫島(ひめしま)には、さつまいもの粉を使った 「いもきり」という麺があります。ゆでるとほのかに甘く、もちもちとした食感が特徴です。 いもきりは、さつまいもを薄切りにして干し、それを粉にしたものに水を加え て練り、薄く伸ばして細く切って麺状にしたものです。茹でたいもきりに、根 菜類や豆腐などの具を入れてしょうゆで煮た汁をかけます。
この地域は日本最大のクヌギ林があり、伝統的な原木しいたけ栽培が行われています。 クヌギで育ったしいたけは、大きく肉厚に成長します。 ゆっくりと2年をかけて育成するため、うま味成分や香りが強く、 しっかりとした歯ごたえの高品質の干ししいたけになります。
日本茶とは、日本で生産される「緑茶」をさします。緑茶は茶葉を摘んでから発酵させずに作られ、「煎茶」をはじめ、「玉露」や「抹茶」、「番茶」、「ほうじ茶」、「玄米茶」などさまざまな種類があります。 大井川地域の各製茶工場では栽培条件や工場独自のこだわりの製法などにより、うま味・渋み・香り・水色(すいしょく)が異なる特色あるお茶が作られています。※水色(すいしょく)とは、湯飲みに抽出されたお茶の色のこと
「駿河湾の宝石」と称される桜エビ。香りやうまみが凝集された、4~5cmほどの小さなエビです。海中では透明ですが、水揚げされるとまるで桜の花のようなピンク色をまとうため、桜エビと呼ばれています。 桜えび漁の漁業許可がおりているのは国内では静岡のみ。環境保全と生態系の維持をしっかりと行いながら、漁を営んでいるのです。